整骨院で働いて15年。産後の肩こり、抱っこひもでの腰痛、夜泣きで寝不足の疲れた顔……育児中の患者さんを何人も診てきました。
「授乳姿勢は背筋を伸ばして」「抱っこひもは高めの位置で」「睡眠を細切れでも取って」
自信を持って伝えてきたアドバイスたちが、実際に自分が育児をしてみると、驚くほど「言うは易し」だったとわかりました。
ギャップ1:「姿勢に気をつけて」は無理なお願いだった
夜中2時、眠い目をこすりながら息子を抱っこしてあやす。背筋を伸ばして正しい姿勢で……なんて、0.1%も頭にありませんでした。生き延びることが最優先です。
患者さんに「なんで姿勢が悪いんですか」と(やわらかく)言っていた過去の自分を今すぐ呼び出して謝りたい。
ギャップ2:「赤ちゃんの泣き声に慣れる」は本当か
「慣れますよ」と何度も言ってきました。確かに慣れる面もある。でも深夜3時の泣き声は、何週間経っても体に刺さります。「慣れた」というより「慣れるしかなくなった」が正解だと思います。
ギャップ3:「パートナーと分担を」は言うのが一番難しい
理屈ではわかっています。でも「自分がやった方が早い」「起こすのが申し訳ない」という気持ちが邪魔をする。分担の話し合いができるのは、二人ともある程度余裕があるときだけ。疲れ切ったときに冷静に分担の調整はできません。
それでも、専門知識が役に立つ場面は確かにあります。
妻の産後の腰痛に早めに気づいてアプローチできたこと。息子の体の様子(筋緊張・関節の動き)を観察するときに、異常を見分けやすいこと。抱っこひもの装着を丁寧に確認できること。
知識は、「自分が完璧にできる」ためではなく、「気づくための道具」として使えるものだと実感しています。
整骨院でこれからも育児中の患者さんに会うとき、きっと伝え方が変わると思います。
「姿勢に気をつけてください」ではなく、「できる範囲で、疲れをためないために少しだけ」と言えるようになった気がします。
育児は知識で乗り越えるものじゃない。でも、知識があるとほんの少しだけ、不安が減ります。それで十分なのかもしれない、と最近思っています。
整骨院勤務15年・鍼灸師パパより 「育児してみてギャップを感じたこと」「こんな知識が役に立った」など、ぜひコメントで聞かせてください。専門職パパ・ママからの声も大歓迎です。