「寝ても寝ても疲れが取れない」「昼間からもうグッタリ」「育児の前はこんなじゃなかったのに」
育児中のパパ・ママから、整骨院でよく聞く言葉です。もちろん睡眠不足や体への負担が大きいのは事実ですが、東洋医学の視点から見ると「疲れやすい体」には別の読み解き方があります。
15年間、多くの疲弊した患者さんと向き合ってきた鍼灸師として、そして生後5ヶ月の息子を育てる現役育児パパとして、東洋医学の知恵をわかりやすくお伝えします。
東洋医学では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で成り立っていると考えます。この3つがバランスよく体中を巡っているとき、人は健康でいられます。
| 要素 | 読み方 | 役割のイメージ |
|---|---|---|
| 気 | き | 生命エネルギー・体を動かす力 |
| 血 | けつ | 体を潤す・栄養を運ぶ |
| 水 | すい | 体の水分・潤いを保つ |
これが滞ったり、不足したりすると「疲れやすい」「だるい」「体が重い」という症状が出てきます。
育児は精神的・肉体的に常にエネルギーを消費します。「気」はまず睡眠で回復しますが、夜間授乳や夜泣きで眠れない状態が続くと、気が補充できなくなります。
気虚のサイン: 朝起きられない・少し動くだけで疲れる・声が出にくい・風邪をひきやすい
産後のママに特に多いのがこの状態です。出産による出血、授乳による栄養消耗、偏った食事などで「血」が足りなくなります。パパでも、不規則な食事や食事を抜くことで血虚になることがあります。
血虚のサイン: 顔色が悪い・めまい・動悸・爪が割れやすい・髪が抜ける・目が乾く
育児中はストレスや不安を抱える場面も多く、「気」の流れが詰まりやすくなります。気が滞ると体の各部位に栄養・エネルギーが届きにくくなり、慢性的な疲れやイライラにつながります。
気滞のサイン: 気分が晴れない・ため息が多い・胸やお腹が張る感じ・首や肩のコリ
東洋医学では、胃腸(脾胃)が気を作り出すとされています。消化に負担をかけない食事が気を補う基本です。
おすすめのツボ: 足三里(あしさんり)——膝のお皿の下、外側4横指のところ。毎日30〜50回押すと胃腸の働きを助けると言われています。
気が滞りやすいのは首・胸・横隔膜まわりです。
| チェック項目 | 当てはまる可能性が高いタイプ |
|---|---|
| 朝が特につらい・声に力がない | 気虚 |
| 顔色が悪い・めまいがある | 血虚 |
| イライラ・ため息が多い | 気滞 |
| 複数当てはまる | 複合タイプ(よくある) |
育児中は複数が重なることも珍しくありません。「どれか一つだけ」より、いくつか当てはまる方が多いです。
| 東洋医学の概念 | 育児中に起きやすい原因 | セルフケアのヒント |
|---|---|---|
| 気虚 | 睡眠不足・体力消耗 | 温かい食事・脾を守る・足三里 |
| 血虚 | 産後の出血・授乳・偏食 | 赤黒い食材・目の酷使を減らす |
| 気滞 | 育児ストレス・不安 | 深呼吸・外出・胸を開くストレッチ |
「疲れているのは気のせいじゃない、体が正直に信号を出している」——東洋医学はそう教えてくれます。自分の状態に気づいて、少しだけ自分を労わる時間を作ってみてください。
整骨院勤務15年・鍼灸師パパより
「気虚っぽいかも」「血虚のサインが全部当てはまった」など、コメントで教えてください。あなたの状態に合わせたアドバイスができるかもしれません。